先月実施した自然災害研修に続き、今回は養護職員及び看護師を対象としたBCP(事業継続計画)研修として感染症対策訓練を行いました。
実際に施設内で感染症が発生した場合に迅速かつ的確な処置ができるよう、感染症に対する知識の学習と実動訓練を実施しました。
インフルエンザやノロウイルスなど、感染力の強いウイルスは高齢者介護施設にとって特に大きな課題です。集団生活を送る養護老人ホームでは、1人の感染が確認されるとご利用者様・職員を問わず多数に広がり、クラスター発生のリスクがあります。体力・免疫力が低下している高齢者の場合、感染症が重症化し生命に関わる事態に繋がることも少なくありません。
そのため当施設では、「ウイルスを素早く除去・封じ込める」そして「他の利用者様への感染拡大を最大限防ぐ」ことが最も重要だと考えています。
今回の研修では、まず主な感染症に関する基礎知識を改めて確認しました。
感染力の高いウイルスだけでなく、注意すべきウイルスは多岐にわたります。いずれにせよ、抵抗力が低下した高齢者にとって感染は高リスクであり、予防の重要性を再認識しました。
その後の実動訓練では、入職して日が浅い職員を対象に「利用者様が嘔吐された際の対処方法」を想定して実践的なトレーニングを行いました。
嘔吐物の適切な処理方法はもちろんのこと、手袋の正しい外し方や汚染物を取りまとめるごみ袋の扱い方など、細部にわたる手順を確認しました。
皆さん最初は戸惑う様子も見られましたが、先輩職員の丁寧な指導のもと確実に手順を習得し、自信を持って対応できるようになったようです。
こちらは嘔吐物処理に使用するアイテムです。
この他、嘔吐物をかき集める段ボールのヘラとともにまとめられ、常に目につきやすい場所に設置しています。
夏場にかけてはノロウイルスや食中毒など、感染症のリスクが高まります。
当施設では、日頃から「清潔を第一」に考え、感染症の発生時には迅速かつ確実な処置を行うことで被害を最小限に抑えるよう、引き続き努めてまいります。